オリジナルなドリブルを習得するには?

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前回からドリブル練習をする際の心構えを紹介しています。

心構えは3つです。

 

①常に敵と仲間を想定する

②好きなドリブラーを真似て、役になりきる

③即興ストーリーをつくる

 

 前回は①②を紹介しました。

今回は残りの1つ、を紹介していきます。

 

【コピーからオリジナリティへ】

よく「真似をしたらオリジナリティがなくなるのではないか? 独自性が生まれないのではないか?」という声を耳にしますが、それはないと僕は思います。

 

アイディアは組み合わせの産物です。

組み合わせとは「足したり、引いたり、掛けたり、割ったり」すること、つまりは「四則演算」です。

ドリブルやフェイントも基本的には組み合わせです。

シザース+サイドステップ+ステップオーバー」

マルセイユ+切り返し+ダブルタッチ」

などなど……。

フェイントの種類フェイントの性質(速度・確度)、それらの組み合わせは無限にあります。

つまり、コピーの組合せがアイディア(オリジナリティの種)を生んでいるのです。

 

まずは、たくさんのコピー(真似)を集めること(②)が大切です。

しかし、それだけでは足りません。

その数々のアイディアを自身の性質(スピード、体幹、癖、などなど)と融合して、はじめてオリジナリティ(独自性)が生まれるのです。

 

 

【即興ストーリーをつくろう】

さて、それではコピーからオリジナリティあるドリブルへ移行する方法ですが、僕は「即興ストーリー」を頭の中で想像(実況)しながら練習をするのが良いと思います。

 

ちなみに即興とは、

「即興(そっきょう、英: Improvisation)は、型にとらわれず自由に思うままに作り上げる、作り上げていく動きや演奏、またその手法のこと。インプロヴァイゼーション、アドリブともいう。」(Wikipedia参照)

 

例えば、

「○○選手(自分)、右サイドからドリブル。相手のサイドバックが激しくショルダーチャージをしてくるが、○○選手(自分)上手くブロック(実際にブロックする身体の使い方をする)。そして、右サイドバックが○○選手(自分)を追い越してオーバーラップ。○○選手(自分)はシザースで相手のサイドバックをかわし、オーバーラップして仲間へパスを出した」

 

というように、実況しながらその場で思いついたプレーをし、プレーを場面ごとに連続的に変えていくのです。

 

少し難しいと思った場合は事前にテレビでサッカーの試合を見たときのシチュエーションや実際に自分の試合で起こったシチュエーションを思い出して行っても構いません。

大切なのは、できるだけプレーを止めないことです。

とにかくプレーが切れるまで、ボールが切れるまで、自己実況が終わるまで、ボールと身体と頭を休めないことです。

最初はゆっくり、意識的に行って構いません。

慣れてきたらどんどんスピードを上げていきましょう。

そうすると、意識的にやっていたドリブルやフェイントが無意識に出る(身体が勝手に動く)ようになります。

 

ドリブルが無意識的にできるようになると周りが見えるようになります。

マッチアップしているディフェンダーの身体や足の向き、相手との距離感が見えるようになってきます。

マッチアップしている状況も過酷な状況にストーリーを展開することもできてきます。

そうすると、今までは意識的に好きなフェイントを選んでプレーしていたのが、今度は相手の状況や仲間の状況を見てフェイントをするようになります。

自分の体をコントロールすることが無意識にできてくることによって、視覚や聴覚から入る外部からの情報の量が一気に増えて、精神的に負荷がかかります。

このときはじめてオリジナリティが生まれるのです。

 

つまり、工夫を強いられる状況下にいるとき、「コピーのストック(真似してきたフェイントの数)」と「自分の個性(スピード・キレ・体幹・癖)」を掛け合わせて、ドリブルを選択しなければなりません。

自分の良い個性も悪い個性も意識的に好きなドリブルしている際は出にくいものです。

ある程度負荷がかかった状態でドリブルしているとき(無意識にボールを扱い、意識は周辺状況を察知しているとき)に自分の個性(本性)が出てきます。

 

もちろん、これは練習なので、実際の試合よりは精神的な負荷は少ないでしょう。

しかし、想定してやるのと想定してやらないのとでは、ただのドリブル練習でも、やはり雲泥の差が出てくるでしょう。

 

 

【練習に取り組む意識の差で「伸びしろ」は変わる】

コーチをやっていて思うのが、「練習に取り組む意識や姿勢がダイレクトに成長度合いを左右している」という点です。

集中して練習に取り組む子はやはり成長度合いが早いです。

どんどん技を吸収し、上手くなっていきます。

逆に、すぐに飽きてしまう子、ただ練習をこなしているだけの子はどんなに練習メニューを工夫したところで、多少上手くはなりますが、上記の子たちと比較すると相対的に伸び率は悪いです。

 

もちろん、「そんなのは当たり前だよ」と思うかもしれませんが、コーチはサッカー技術を教えること以上に、いかに子どもたちとコミュニケーションがとれるか、ということが重要であることを再認識し、観察力と表現力を磨いていくことが必要でしょう。

そして、ドリブルの上達にも同じように観察力(①②)と表現力(③)が必要です。

 

 

~子どもたちへ~

「探しているものをではなく、見つけたものを描くようにしている」

パブロ・ピカソ(画家)

 

最初はたくさんの選手を探して、見て、技を盗む。

たくさんの技が集まったら、今度は技を組み合わせてみる。

自分だけの技をつくるんだ。自分だけの技を見つけるんだ。

そしたら、今度は試合で使ってみる。

試合中に探している暇はないよ。

自分を信じて、自分で見つけた技を繰り出そう。

 

 

~参考文献~

ジェームス W.ヤン(1988)「アイデアのつくり方」、CCCメディアハウス

ロブマン・キャリー(2016)「インプロをすべての教室へ 学びを革新する即興ゲーム・ガイド」新曜社