「子は親の背中を見て学ぶ」は真理だと思うのです

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 前回は「命令型」だけでなく「提案型」の声掛けも子どもたちへのコーチングでは使っていきましょう、というようなことを書きました。

今回は「提案型の声掛け」のちょっとした応用編を書こうかと思います。

どうか、ご参考までに。

 

 

【ドア・イン・ザ・フェイス×提案型】

心理学や営業・交渉の世界でよく使われる手法の一つに「ドア・イン・ザ・フェイス」というものがあります。

「大きな要求(ブラフ)を提示し、相手に断らせる。その後すかさず小さな要求(本命)を提示し、承諾を得る」という手法です。

 

コーチ「(大きな要求)」

子ども「(拒否)」

コーチ「(小さな要求)」

子ども「(承諾・譲歩)」

 

という会話の流れです。

例えば……

 

コーチ「今日は3点、ハットトリック目指してみよう!」(ブラフ)

子ども「ん~……、無理かも……」

コーチ「そっかぁ……。じゃあ、まずは1点取れるよう、ちょっと頑張ってみない?」(本命)

子ども「それなら、やれるかも」

 

少し大袈裟かもしれませんが、自信のないFWの子どもへの声掛けの例えです。

実際、僕の教え子も2得点してくれました。

他の例えでは……

 

親「夕飯の前に宿題終わらせてね」

子「えぇ~……、無理だよ……」

親「そうなの? それじゃあ、宿題の最初の問題だけ、ちょっと頑張ってみない?」

子「う~ん……、わかった」

 

このように、家庭でも活かせるのではないかと、僕は思います。

 

コーチや親が最初に大きな要求をして断られます。

そして、次に小さな要求、本命の要求を出します。

これは「大きな要求は諦めるけど、もう少し小さな要求を譲歩して出す」ということです。

つまり、要求する側(コーチ・親)は譲歩している、一歩譲っているのです。

 

人間は先に譲歩されるとそのお返しに相手にも譲歩しなければならないという葛藤に駆られます(返報性の原理)。

結果、子どもは連続して拒否し難くなります。

そして、最後の要求(本命)を提案型にすると、さらに良いでしょう(『提案型』についてはこちら)。

 

下手に命令型にしてしまうと感情(イライラやストレス)が子どもに伝染する恐れがあります。

提案型で話しかける方が、より口調も柔らかくなり、子どもも心が開きやすいでしょう。

 

 

【『子は親の背中を見て学ぶ』は真理】

なぜ僕が提案型のコーチングをするのか。

それは、自分のためでもあります。

 

僕は指導する側にいます。

しかし、子どもたちから学んでいること、子どもたちから貰っているものもたくさんあります。

僕は常に子どもたちから学んでいます。

僕は子どもと一緒に成長したい、学びたいのです。

 

すると、自然に命令型から提案型の声掛けに変わります。

「○○してみない?」という声掛けは「(一緒に)○○してみない?」という意味が密かに含んでいると思うからです。

 

「一緒に練習してみない?」

「一緒に話し合ってみない?」

「一緒に(試合で)戦ってみない?」

「一緒に勉強してみない?」

 

「子は親の背中を見て学ぶ」と昔から言いますが、僕はまさに真理だと思います。

子どもたちは大人の姿勢を見て、学び、信じられないくらいのスピードで吸収していくのです。

僕自身が必死に勉強しないで、子どもたちが必死に何かをしてくれるとは思えません。

 

この論理でいくと、子どもを見れば、その親の「感じ」がある程度わかります。

特に言葉遣い、姿勢、表情変化は似てきます。

 モチベーションの記事でも書きましたが、僕たち大人は常に子どもに見られているという意識を持つことは大切であると思います。

 

 

~子どもたちへ~

「人間は最も模倣的な動物であって、人間の最初の知識は模倣を通してなされるといふ所にある」

アリストテレス詩学』(哲学者)

 

世の中にはたくさん大人がいる。

君たちはどんな大人がカッコイイと思うのかな?

カッコイイ大人をたくさん見つけてみよう。

まずは、学校から飛び出そう。

 

 

~参考文献~

ロバート・B・チャルディーニ(2014)『影響力の武器[第三版]:なぜ、人は動かされるのか』誠信書房

谷原誠(2009)『人を動かす質問力』角川書店

アリストテレス(1997)『詩学』岩波書店