いつまで子どもたちに「アメとムチ」を与える気なのか?

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「アメとムチ」という言葉をご存知でしょうか?

アメとは賞のことであり、ムチとは罰のことを表わしています。

1880年代、ドイツで活躍した政治家ビスマルクの政策を表現した言葉です。

 

何かを達成した場合、子どもはご褒美(利益)を得る。

何か悪いことをしたり、失敗したりした場合、子どもは罰(暴力や強制)を受ける。

20世紀の日本の教育もこの思想に近いものがあったと思います。

 

しかし、子どもの教育や子どものモチベーションという観点では「アメとムチ」からの解放が必要なのです。

 

 

【大切なことは2つ】

アメリカの心理学者エドワード・L・デシによると、モチベーションを高めるために子どもたちに必要なのは外発的動機づけ(アメとムチ)ではなく、内発的動機づけであると主張しています。

 

「内発的動機づけ」とは、他者からの圧力によって自分の行動が促されるのではなく、自分の意思で自由に自発的に行動が促される状態のことです。

つまり、先生や親に言われたからやるのではなく、自分の好奇心などによって自分から進んでやる状態のことです。

 

そして、この「内発的動機づけ」で大切なのは2つあるとエドワード・L・デシは述べています。

それは、自己決定有能さです。

子どもたちには、「自分が決めたい」という欲求と「自分が優れていると感じたい」という欲求を兼ね備えているのです。

 

 

【最適な目標達成へのプランを追求しよう】

モチベーションを高めるうえで欠かせないのが目標です。

目標に向かって頑張るというプロセスが子どもたちの成長には欠かせません。

 

まずは、子どもたちに最適な課題(目標)を提示しましょう。

その目標への行動プラン(目標をどうやって達成するか?)はある程度子どもたちに選択権を預け、自由裁量にさせましょう。

そうすることで、子どもたちにとっての自己決定という欲求は満たされ、モチベーションが高まるでしょう。

 

 

【最適なチャレンジを試みよう】

子どもたちが有能さを感じるには、最適なチャレンジが必要です。

目標が高すぎても、低すぎもダメです。

 

目標設定は最初のうちは自分でやるのは難しいので、大人が一緒になって最適な目標を設定してあげましょう。

達成に向けて努力するときのみ、有能さを感じることができるのです。

 

「外発的動機づけ」よりも、自分で自分を動機づける「内発的動機づけ」のほうが、創造性、責任感、健康な行動、などという点で優れていることが分かっています。

 

「外発的動機づけ」によって促された行動は、その行動自体に意味や楽しさを見出せなくなってしまいます。
なぜならば、行動への興味関心よりも報酬への依存や罰の回避などへ促されてしまうからです。
 

子どもたちのモチベーションを高め、成長を促すには「内発的動機づけ」が必要であり、選択権とチャレンジ権が子どもたち自身にあることが大切なのです。

 

【Today's Book】

エドワード・L・デシ(1999)「人を伸ばす力」、新曜社

 エドワード・L・デシ(1980)「内発的動機づけ」、誠信書房