21世紀のサッカー少年少女へ

サッカーコーチをやっています。アツトです。コーチング経験や読書などで得た子どもたちの教育についての知恵を記録しています

一歩一歩進んでいる自分をイメージしよう

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以前「イメージするだけでは、成長できないことに気付きましょう」という記事でも書きましたが、大切なのは理想と現実のギャップをどう埋めるかを考慮して目標への計画を立てることです。

つまり、成功体験などをイメージしてもあまり意味がないということですね。

 

理想と現実のギャップを埋めるというプロセスをどのように進んでいくかが大切ということは、ギャップを把握することと同じくらい計画を立てることも大切なのです。

 

今回はその計画づくりについて書いてみたいと思います。

 

 

【テストで高得点を取れた学生はどっち?】

ある実験では成功体験を「夢想」した被験者よりも、「期待」した被験者の方が実際に行動を起こす確率が高いということが分かっています。

 

夢想とは、言葉のとおり夢や理想を想像することです。

これは現実の自分や目標達成のための行動プロセスなどは想像していません。

期待とは、自分の目標が本当に達成可能か慎重に考え、目標達成までの道筋を具体的に想像します。

 

実際の実験では、

Aグループ:テストで高得点を取っている自分を想像してもらう。

Bグループ:テストで高得点を取るための手段を実行している自分を想像してもらう。

 

結果は……、

目標だけをイメージした学生(Aグループ)よりも、スキルや知識を獲得している様子をイメージした学生(Bグループ)の方が長時間勉強し、成績も良かったという結果でした。

 

 

【WOOPで具体的な行動プロセスをイメージしよう】

というわけで、成功体験だけをイメージするよりも、実際に目標達成に向けて行動している自分をイメージした方が良いことが分かってもらえたと思います。

では、具体的にはどのようにイメージしていけば良いのでしょうか?

 

ここで参考になるのが「WOOP」という手法です。

僕たちが行動をイメージするための1つの手助けとなってくれるでしょう。

 

①Wish(希望)

まずは身につけたいスキルや達成したい目標を書いてみよう。

②Outcome(結果)

達成したことで得られる最善の結果を書き出してみよう。

③Obstacle(障害)

目標を達成するためのプロセスの中で直面しそうな障害を書き出してみよう。

④Plan

 上記の3つを基に、行動計画を立てていく。

 

「Wish」「Outcome」「Obstacle」「Plan」の頭文字を取って「WOOP」となっています。

この上記の順番でイメージしていくと、理想と現実のギャップを把握でき、かつ、予測可能な障害も考慮しながら具体的な行動が立てていけると思います。

 

もちろん、予測不可能な突破的な障害も出てくることがあるでしょう。

しかし、事前に戦略を立てられるような障害にエネルギーを取られないようにしておけば、余裕を持って不測の事態に対応できるようになると思います。

 

自分自身の考えるためのエネルギーや行動を起こすためのエネルギーは無限ではありません。

疲れたら休息が必要ですし、栄養の補給も必要です。

身体はもちろんですが、考えるのにも体力が奪われます。

本当に重要な課題や突発的な障害を乗り越えるためにも、無駄なエネルギーの浪費は「WOOP」などによって避けていきましょう。

 

 

【Today’s Book】

ジェレミー・ディーン(2014)「良い習慣、悪い習慣」、東洋経済新報社

 

幸せの扉を開く3つの鍵とは?

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「幸せへの鍵は目標を達成することにではなく、目標を追求するプロセスにある」

 

今回の本、タル・ベン・シャハー著『HAPPIER』で引用されていた言葉です。

僕自身も「確かにそうだよなぁ」とこの言葉を本で目にした瞬間に納得していました。

 

文化祭も文化祭当日よりもみんなと一生懸命に準備している期間の方が振り返ってみると楽しかったりするものです。

人生も多くの人は青春時代(大人への準備期間)の方が、楽しかったのではないでしょうか?

 

目標を追求するプロセスに「幸せ」というものが潜んでいることは納得感がある方が多いと思います。

しかし、そのプロセスにおいて僕たちは何をすれば、あるいは何を持っていれば「幸せ」と思うのか?

幸せの扉を開く鍵は、3つあるようです。

 

 

【MPSプロセスが僕たちに幸せを実感させる】

今回の本で紹介されているのが「MPSプロセス」というものです。

これは「Meaning(意義)」「Pleasure(喜び)」「Strength(長所)」の3つの頭文字を取って名付けられたものです。

幸せへの扉は「意義」「喜び」「長所」の3つがそろったときに開くようです。

 

①Meaning(意義)

自分の行っていることが自分自身の未来への利益に繋がっているかどうか。

例えば、煙草は現在の自分へは快楽をもたらすでしょう。

しかし、長期的に見れば健康に害悪であり、未来の利益を損することになります。

その煙草代金を1冊の本や自分への投資へ回すことができれば、そこで得た知識は未来への利益を繋がる可能性は高いでしょう。

 

②Pleasure(喜び)

自分の行っていることが自分自身の現在への利益に繋がっているかどうか。

例えば、出世競争やスポーツなどのレギュラー争いは苦しいことに耐えることによって目標達成を目指します。

こういったことに幸せを感じる人は体育会系の方には多いでしょう。

しかし、これは幸せではなく、苦しみからの解放感を幸せと錯覚しているに過ぎないのです。

苦しい体験がなくなったことで精神や身体が今までより楽になったことを「幸せ」と解釈してしまっているのです。

これは一時的な架空の幸せであり、あっという間に架空の幸福感は喪失します。

そして彼らはまた、苦しい体験を求めるようになるのです。

現在の利益(喜び)を蔑ろにして、未来の利益(意義)だけを得ようとしても、それは本当の幸せとは言わないのです。

 

③Strength(長所)

自分の行っていることが自分自身の得意なこと、長所を活かせているものかどうか。

自分の得意なものを活かせていれば、その行動や体験は達成する確率も高く、幸せを感じやすいことでしょう。

また、行動を継続するという観点からも短所よりも長所を活かした活動の方が継続しやすいのではないでしょうか。

 

この3つが交わる領域を自問自答しながら特定し、幸せな体験を自ら創り出していくことが大切なのです。

 

 

【苦しみは大事だ】

タル・ベン・シャハー氏は「幸せ=意義+喜び+長所」というような幸せの公式を説いていますが、僕個人の意見は「目標を追求するプロセスにはドラマがあった方が楽しいのでは?」と思っていたりします。

ドラマには「幸せ」だけでなく、「苦しみ」も必要だと思うのです。

 

苦しみからの解放感を幸せと錯覚しているという話がありましたが、確かに一理あるでしょう。

しかし、生きているという実感は「幸せ」ではなく「苦しみ」から得られるような気がします。

そして、「幸せ」というのは「生への実感」の上に成り立っているものであると思うのです。

つまり、「生への実感」がなければ、そもそも「幸せ」を感じることはできないのです。

 

「苦しみ」を体験したことがあるから、その反対の「幸せ」を感じることができる。

先に書いた3つの鍵を手に入れるためには、おそらく「苦しみ」を避けて通ることはできないでしょう。

僕たちは、どうしても「苦しみ」を避けようとしてしまいます。

 

避けるのではなく、受け入れることが大切なのです。

 

「苦しみは大事だ。何も感じる事が出来ないなら、生きているのか死んでいるのかわからない。生きていこうとするから苦しい。身体が生きたいから苦しい。それは、抗っているのだから。消滅から抗っているから、だから苦しい。痛みを受け入れろよ。それが生きるって事だ。」(草薙健一郎『サクラノ詩』)

 

排除しきれないリスクは、無理に避けようとせずに受け入れて、苦しみながらも立ち止まらずに一歩踏み出していくことが大切なのだと思います。

 

 

【Today’s Book】

 タル・ベン・シャハー(2007)『HAPPIER』、幸福の科学出版

 

根拠なき自信は、実は根拠ある自信なのではないか?

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何が根拠であり、何が根拠でないか、というのは判断が難しいです。

推理小説などでも、それは証拠になるのか、それを証拠として認めるのか、といった際どいシーンが多々登場します。

 

「根拠なき自信」というのは結構耳にする言葉ですが、それはどういった自信なのでしょうか?

今回読んだ本では、「自信」というものについて改めて考えさせられました。

 

 

【根拠なき自信を支える3つの要素】

今回読んだ本で紹介されていたのは、「漠然とした不安を持っている状態からどうやって根拠なき自信を持つか?」といった趣旨の本でした。

そして、それに必要なのは主に3つ。

 

①自己効力感

→ 価値のある目標を達成できると信じる。

②自己肯定感

→ 失敗しても自己否定せず、自分の価値を信じる。

③失敗許容力

→ 失敗を恐れず、失敗は真摯に受け止める姿勢で、チャレンジし続ける。

 

といった具合です。

本の中では、この3つの要素をさらに分解して、詳しく説明されています。

 

 

【目に見えない根拠を集める作業】

この本を読んで思ったのが……、

「根拠なき自信とは言うものの、結局は一歩踏み出すための証拠を集めて、それを根拠に踏み出しているだけじゃん」

……ということです。

 

自分の強みを探したり、過去の逆境を振り返ったり、客観的に物事を考えてみたり……、などなど。

結局は「根拠なき」と言いつつも、「根拠を探している」あるいは「根拠をでっちあげている」だけなのではないか、と思いました。

つまり、目に見えない根拠や自分ができるという妄想の証拠を集めているだけなのだと思います。

 

そして、今回この本を読んで僕は……、

「自分の内側の『やりたい』が本当は大切で、そこがなければ根拠があろうが、なかろうが一歩を踏み出せない」

と思いました。

 

もちろん、①②③を自分自身で考察するのは大切ですが、いくら先に書いた①②③があろうが「純粋な衝動」がなければ、結局僕たちはチャレンジできないのだと思います。

逆に「純粋な衝動」があれば、自信がなくたって「とりあえず、やってみる」人間はいるのではないでしょうか。

一番大切なのは、自信を持つことより、自分に素直になることなのだと思います。

 

 

【Today’s Book】

久世浩司(2015)「なぜ、一流になる人は根拠なき自信を持ってるのか?」、ダイヤモンド社

 

子どもたちが行動できない原因とは?

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いくら言っても、子どもは言うことを聞いてくれない。

何度言っても何度やっても、子どもは同じミスをする。

こちらが言わないと、子どもはそもそも行動を起こしてくれない。

 

子どもが行動を起こしてくれない、という悩みはどの家庭でもあるのではないでしょうか。

今回は行動ができない原因を探ってみたいと思います。

 

 

【行動するときの3つの要因】

皆さんは「ABC分析」というのをご存知でしょうか?

これは各人の行動を分析するための手法です。

それぞれ「Antecedent(先行条件)」、「Behavior(行動)」、「Consequence(結果)」の頭文字を取って「ABC分析」と言います。

 

Antecedent(先行条件)

→ 行動するときの状況を指しています。

Behavior(行動)

→ 行動それ自体を指しています。

Consequence(結果)

→ 行動によって得られる結果を指しています。

 

文章にすると、

「~のとき(先行条件)、~したら(行動)、~なった(結果)」

と表わすことができます。

 

例えば、

「授業のとき、板書だけでなく先生の言うことをしっかりメモを取ったら、テストで良い成績が取れた」

「宿題をやるとき、母親に言われる前に宿題を終わらせたら、母親に褒められた」

などなど。

 

この文章の通りに行動が成功すれば、その行動は繰り返されやすくなります。

逆に、この文章通りに行動して悪いことが起こった場合、その行動は繰り返され難くなります。

そして、行動ができない原因はそれぞれ「ABC」の中で何かが欠けている場合が多く、「ABC」のどこに原因があるかによって対処が違ってくるのです。

 

 

【子どもがどこのステージで迷子になっているのか見極めろ】

指導者は「ABC」のどこで子どもが迷ってしまっているのか見極めなければなりません。

 

A:先行条件で迷っている場合

この時は知識不足が原因の可能性が高いです。

例えば、そもそも授業のときは板書だけノートに写せば良いと思っている場合などがそうです。

そういうときは、先生が口で話していることもテストで出る、と誰かが教えてあげる必要があります。

 

B:行動で迷っている場合

この時は、知識はあってもそれを実践でどのように使えばいいのか、という手法が分かっていない場合が多いです。

例えば、先生の言っていることをノートにメモした方が良いことは知っているけれど、「何をメモしたら良いのか、どうやってメモしたら良いのか、言ってること全部メモするのか」など行動の仕方が分かっておらず行動に移せない、などがそうです。

そういうときは、実際に1から教えても良いですが、できればコーチングをしてあげましょう。

 

C:過去の結果を引きずっている、将来の結果に不安を抱いている場合

この時はモチベーションが原因の可能性が高いです。

例えば、ノートにしっかりと先生の言っていることをメモしたけど、テストで良い成績が取れなかった、あるいはテストで良い成績が取れるか不安、という場合です。

そういうときは当ブログでは何度も登場している「モチベーションを高める方法」「内発的動機づけ」を指導者は意識してあげましょう。

 

行動ができないのは、子ども自身の才能や能力のせいではありません。

適切な条件が揃っていなかったり、目標設定が甘かったり、思考がネガティブになってしまったりしているだけなのです。

子どもが行動できていないときは、がむしゃらに怒るのではなく、人格や能力を否定するのでもなく、まずは冷静に原因の分析を試みてみましょう。

 

 

【Today’s Book】

 島宗 理(2000)「パフォーマンス・マネジメント」、米田出版

 

「○○しなさい!」から「○○してみない?」と声をかけてみよう

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「勉強しなさい!」

「練習しなさい!」

「机の上を片付けなさい!」

「パスを出せ!」

「そこでドリブルするな!」

 

……などなど。

 

もしかしたら子どもたちは家でも学校でもグラウンドでも、日々たくさんの命令や禁止などの縛りを受けているのかもしれませんね。

試合の会場なんかに行くと、こういった声がまだまだ聞こえてきます。

いわゆる、命令型の声掛けですね。

しかし、こういった命令型の指導により、子どもたちは言われたことができるようになっているのでしょうか?

 

 

【命令型から提案型へ】

僕の考えの前提は子どもたちが主人公です。

なので、子どもたちが主人公になれるようなシチュエーションをつくってあげることを考えます。

 

そして、それと相性が良いのが「提案型の声掛け」です。

「~してみない?」「~してみよっか?」など、子どもたちがあたかも目の前の壁(苦難)に挑戦するかのように声を掛けるのです。

主人公はいつだってチャレンジャーであり、子どもたちもまた例外なくチャレンジャーなのです。

 

 

【命令型と提案型の使い分け】

僕は命令型は絶対に使ってはならない、とは思っていません。

しかし、命令型の声掛けは使うのが非常に難しいことは確かなので、多用するべきではないでしょう。

僕の使い分けは下記の通りで行っています。

 

命令型:子どもたちのモチベーションの維持

提案型:子どもたちのモチベーションの向上

 

違いがよく分からないという方もいるでしょう。

もう少し詳しく説明します。

 

 

①命令型

命令型は子どもたちのモチベーション維持のために使います。

もう一歩踏ん張れば勝てるとき、もう一歩踏み出せば成長できるとき、ゴール目前で心が挫けそうなとき、そんなときに必要な言葉は優しい言葉よりも厳しい言葉だと思います。

 

「諦めるな!」

「無理じゃない!」

「走れ!」

 

「あともう一歩」という局面で子どもたちの背中を押してあげるために命令型を使うことは有効であると僕は思います。

本当に挫けそうな局面で支えてあげる、モチベーションを保たせることが重要です。

 

しかし、それ以外の局面で使うことは子どもたちにストレスを与え、身体は緊張し、集中力は削がれ、プレーの精度や成長に支障をきたすと思います。

 

 

②提案型

提案型は子どもたちのモチベーション向上のために使います。

先に書いた通り、子どもたちを勇敢なチャレンジャーにさせるのです。

 

「リフティング10回、頑張ってみよっか」

「宿題10分で終わらせてみない?」

「元気な声で挨拶してるチームってカッコよくない?俺たちも元気に挨拶してみようぜ?」

 

提案をするには目標提示が必要です

指導者は子どもに対して越えられるか越えられないかくらいの程よい目標設定をしてあげ、子どもにそれを提示する必要があります。

あまりに実力からかけ離れた目標設定はダメですし、簡単すぎてもダメです。

リフティング10回、宿題を10分で、など目標を数値化すると達成度合いが分かりやすいので達成感も感じやすくなるでしょう。

 

また、小さな目標をしっかりクリアできるようになってきたら、今度は子どもたち自身に目標設定をさせましょう。

コーチは目標設定のための材料を与えるだけ、というのがベストです。

 

 

【要求だけでなく、理由を持つ】

命令型でも提案型でも明確な理由を持って言うことが重要です。

「勉強しなさい!」「勉強してみない?」と言う人が、なぜ勉強しなければいけないのか、という理由を持たないまま子どもにそれらを言うのは良くありません。

 

そして、その理由が言う側の内的要因であってもいけません。

よくあるのが、イライラやストレスから命令してしまうケースです。

 

ポジティブな理由を用意し、言ってあげる。言ってあげられなくてもしっかりと頭では理由を思っていること、理由を把握していることが大切です。

なぜなら、「勉強しなさい」という言葉に「声色」が乗ってしまうからです。

 

「声色」で子どもに全て伝わり、伝染します。

言う側のイライラやストレスが子どもに伝染します。

イライラしながら勉強しても、それが身につくとは思いません。

ポジティブな理由を持ち、できれば理由もセットで命令型や提案型の声掛けをしてみましょう。

 

 

~子どもたちへ~

「限界まで力を出し切って、はじめて技の向上する瞬間が訪れる」

江坂さん(『Rewrite』アニメ・ゲーム)

 

「諦めるな!」「走れ!」「勉強しろ!」

言われなくてもやってるよ、って思うかもしれない。俺もそう思ってた。

でも、大人が命令しているときは「レベルアップする瞬間がもうすぐで訪れるよ」って君たちに教えてくれているのかもしれないね。

レベルアップを目の前にして、あとちょっとでゴールなのに、諦めてしまうのはもったいないと思わない?

注意されたとき、怒られたとき、叱られたとき、それは君が成長するチャンスなんだ。

ねぇ、もうちょっとだけ、頑張ってみないかい?

 

モチベーションのトリガーはどこか?

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「やる気スイッチ」と言うと、ちょっとカワイイ。

「モチベのトリガー」と言うと、ちょっとカッコいい。

意味は同じなのに、言葉って不思議ですね。

 

さて、そのトリガーですが、子どもたちのどこにあるのでしょうか?

もちろん子どもによってモチベーションが上がる部分は違います。

しかし、共通している部分も少なからずあるはずです。

そんな中、僕が最初に焦点を当てるトリガーは「子どもたちがサッカーを始めた最初の理由・きっかけ」です。

そして、大きく分けると2つにまとめられると思います。

 

 

【憧れ(内発的)or習い事(外発的)】

①サッカーへの憧れ

サッカーへの憧れで始めた子どもはやはりサッカーに対して積極的な子が多いです。

プロの選手のカッコいいプレーに憧れていて、サッカーに対しても前向きな姿勢を示しています。

この気持ちは子どもたちの心の中(内発的要因)で生まれるものです。

 

②習い事の一つ

仲良しの子が入っているから、教育に良いと聞いたから、などどちらかと言えば子どもではなく親の意思(外発的要因)で入ってきている子もいます。

そういった子は習い事の一環としてサッカーを楽しんでいる子が多いです。

また、本当はサッカーがあまり好きではなく仕方なく消極的に参加している子もいるでしょう。

 

両方の場合もあるかもしれませんが、その場合は①の方で考えてください。

 

 

【モチベのトリガーは「カッコいい!」だ】

男の子は「カッコいい」が正義です。

モテたい、認められたい、という欲求が高いのが男の子です。

「憧れ」でサッカーを始めた子にももちろんそうですが、「習い事」で始めた子にも、サッカーってカッコいいっと肌で感じてもらうことが重要です。

そんな彼らのモチベーションを上げるために僕が行っていることは3つです。

 

①姿勢

②セリフ性

③ゲーム性

 

①立ち振る舞いは常に意識(姿勢)

子どもたちは常にコーチを見ています。

僕はコーチングしているとき常に、姿勢、服装、表情、ボールタッチ、などがカッコよく(清潔感のある)子どもたちの目に映るよう意識しています。

 

僕がコーチングしている中で、こんなことがありました。

保護者の方が「子どもに、コーチと同じものが食べたいと言われたんです」と僕に教えてくれたのです。

どうやら、僕がお昼に1人で食べていた「おにぎり」と同じ「おにぎり」を子どもは食べたかったようなのです。

僕は身体づくりも趣味なので食事なども栄養学の知見を参考に意識はしていましたが、そんなところまで子どもは見ているのだなと驚きました。

最近は今まで以上に僕自身、立ち振る舞いは常に「カッコよく美しく」を意識しています。

 

②投げかける言葉はカッコよく(セリフ性)

サッカーが得意であろうと苦手であろうと、子どもたち1人1人が自分の人生の主人公です。

そして、主人公には必ず賢者の存在がいます。それがコーチです。

どんなアニメも小説も、賢者の投げかける言葉は深くてカッコいいものです。

コーチも常にカッコいい言葉を探したり、紡いだりする必要があるでしょう。

 

③ゲーム感覚で楽しい練習(ゲーム性)

どんな子どもも楽しいゲームは大好きです。

RPG、アクション、シューティング、ゲームセンター、スマホアプリ、世の中にはたくさんゲームがあります。

ゲームには多くの場合勝ち負けがあります。サッカーと同じです。

そして、練習メニューも同じようにゲーム感覚に楽しめるようにする必要があります。

言い換えれば、レクリエーション性が必要です。

特に習い事の一環でサッカーをしている子たちには楽しみながら技術を磨く仕組みをつくってあげることが重要です。

ドリブルを競争にしたり、パスを得点性にしたり、シュートをターゲット性にするなどの工夫が重要です。

 

 

【モチベーターになれ】

モチベーションのトリガーは「カッコいい!」だと、僕は思います。

子どもたちは自分自身の人生の「カッコいい主人公」なのです。

そして、子どもたちの心を刺激するには指導者は「姿勢、セリフ性、ゲーム性」の3つを意識することが重要です。

もちろん、最初は1つでも良いですが、2つ、3つと上記を組み合わせて使うのが非常に効果的だと思います。

コーチは子どもたちのモチベーターであれ、これが僕のコーチング論です。

 

 

~子どもたちへ~

「人が本気で挑戦して努力してなせないことなんてこの世に何一つない!途中で挑戦をやめるからまるで失敗したように写るんだ」

 生方(『DAYS』漫画・アニメ)

 

ゲームで、最後のボスに何度も負けたけど、最後はクリアできたとき。

練習で、何本もシュートを外したけど、試合でゴールを決められたとき。

算数で、計算を何度も間違えたけど、本番のテストではできたとき。

君たちはきっと「やった!」と思ったはずだ。

「できない」ことが「できる」ようになることが「楽しい」。

さぁ、人生をドラマチックに楽しもう。

 

あなたはどれだけ「暗黙の知識」を持っているか?

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これからの時代に必要なのはIQではなく、「暗黙の知識」です。

 前回の記事で「7つの知能+3つの知能」について書きましたが、これらの知能は何のためにあるのかというと、この「暗黙の知識」を手に入れるためにあるのだと僕は思います。

さて、この「暗黙の知識」とはどういったものなのでしょうか?

 

【成績優秀な子vsはしっこい子】

ここで1つ、たとえ話をしましょう。

 

あるところに、学校でテストの成績が一番優秀なAくんとテストの成績は悪いが処世術にたけているBくんがいました。

AくんとBくんが一緒に山の中を歩いていると、そこに巨大熊が出現しました。

 

成績優秀なAくんは、熊の位置と自分たちの距離を分析し「熊に食われるまで17.3秒だ!逃げるなんて無理だ!」とパニックを起こします。

処世術にたけているBくんは、パニックに陥っているAくんを一瞥し、Aくんよりも一足早く逃げ始めます。

 

Aくん:「逃げるなんて無理だよ!Bくん!」

Bくん:「かもね。でも、要は、おまえより速く走ればいいだけだろ?」

 

 

【3つの知能】

先のたとえ話は今回読んだロバート・J・スタンバーグ『知能革命』の中に書かれているものです。

彼は、ハワード・ガードナーが提唱する「MI」の理論は生きる上で必要がないものも含まれていて、本質的ではないと言います。

確かに、音楽的知能や霊的知能など芸術的側面や宗教的側面が強いものは生きる上で絶対に必要であるとは言い難いでしょう。

そこで、ロバート・J・スタンバーグが提唱するのは「3つの知能」です。

 

①分析的知能

問題を捉え、様々な思考の質を測る能力。

分析をする能力。

②創造的知能

優れた問題提起をし、思考を形成する能力。

仮説を立てる能力。

③実践的知能

思考とそれに対する分析を日常的に効果的に活用する能力。

仮説を実践し、検証する能力。また、検証データを利用する能力。

 

 

【行動優先型の知識が大切】

ロバート・J・スタンバーグはIQよりも「暗黙の知識」が大切であると主張しています。

「暗黙の知識」とは、行動優先型の知識であり、他人からの助けなく自分自身の独自の経験や体験から入手される知識のことです。

 

つまり、教科書に書いてあることだけを覚えるだけではなく、その知識を自分の人生の中で試してみて、その成功体験や失敗体験から得られた知識を蓄積することが大切なのです。

 

そして、その蓄積された「暗黙の知識」を別の環境で行動するときにも活用し、「暗黙の知識」からさらに新しい「暗黙の知識」を得ることも大切だと彼は主張しています。

 

これからの時代は、点数を高めることだけに執着せず、「暗黙の知識」を収集し、探求することの方が重要になってくるのだと、僕は思います。

 

【Today's Book】

ロバート・J・スタバーグ(1998)「知能革命」、潮出版社